通常臨床で使用される血液検査の項目は2,000を超え、日常の診療に用いられているものでも数百種類になります。
当院ではすべての項目に対応可能ですが、保険診療運用上の観点などから、各担当医の判断で項目を選んで実施しています。
また、血液検体を専門機関に委託することで、精度管理を保っております。
検血・血算
検査項目
白血球(WBC)、赤血球(RBC)、血小板(Plt)、Hb(ヘモグロビン)=血色素量、Ht(ヘマトクリット)、MCV、白血球分類など
検査でわかるもの
骨髄で作られ、血管の中を流れている血液の細胞(血球)の状態がわかります。
見つかる病気
貧血、多血症、白血病炎症の有無など
肝機能
検査項目
GOT(AST)、GPT(ALT)、ALP、LDH、γ-GTP、ChE、T-Bil、ZnTT、アンモニアなど
検査でわかるもの
肝臓の細胞から流れて出てくる酵素の量や、肝臓で分解/合成されて出来てくるものの量を調べます。
見つかる病気
肝炎、アルコールや薬物による肝障害、肝硬変など
脂質
検査項目
T-cho(総コレステロール)、TG(中性脂肪)、HDL-cho(いわゆる善玉コレステロール)、LDL-cho(いわゆる悪玉コレステロール)など
検査でわかるもの
血液の中を流れている脂肪分を調べて、動脈硬化を起しやすくないか状態をみます。また、栄養状態も分かります。高すぎてはいけませんが、低すぎるのはあまりよくありません。
見つかる病気
脂質異常症(高脂血症)、高コレステロール血症など
腎機能
検査項目
尿素窒素(BUN)、クレアチニン(Cr)、尿酸(UA)
検査でわかるもの
腎臓から、尿に排泄されるべき老廃物の量を調べて、腎臓の働き具合をみます。
見つかる病気
腎不全、痛風、高尿酸血症など
血糖
検査項目
空腹時または随時の血糖、HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー、糖化ヘモグロビン)
検査でわかるもの
細胞のエネルギー源となるブドウ糖の量を測ります。HbA1cは過去1~2ヶ月の平均的な血糖の状態が分かります。
見つかる病気
糖尿病
血清
検査項目
HbsAg、HCV、梅毒血清反応、リウマチ因子など
検査でわかるもの
肝炎のウイルスや梅毒にかかったことがあるか、また、リウマチの素因が分かります。
見つかる病気
慢性ウイルス性肝炎、梅毒、関節リウマチなど
電解質
検査項目
ナトリウム(Na)、カリウム(K)、クロール(Cl)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、リン(IP)など
検査でわかるもの
血液中の電解質(イオン)の量を調べます。
見つかる病気
内分泌(ホルモン)の異常、栄養の偏り、骨の代謝異常など
炎症反応
検査項目
血液沈降速度(血沈、ESR)、CRPなど
検査でわかるもの
体の中で炎症が起こっていないかを調べます。
見つかる病気
感染症、膠原病(自己免疫の病気)など
膵機能
検査項目
アミラーゼ、エラスターゼⅠ、リパーゼなど
検査でわかるもの
膵臓から出てくる消化酵素の量を調べます。
見つかる病気
慢性膵炎、急性膵炎など
筋源性酵素
検査項目
CPK、LDH、アルドラーゼなど
検査でわかるもの
筋肉が壊されると出てくる酵素の量を調べます。心筋梗塞、筋炎、横紋筋融解症など
腫瘍マーカー
検査項目
CEA、CA19-9、TPA、IAP、αFP、PIVKA-Ⅱ、NSE、SCC、PSAなど
検査でわかるもの
癌(がん)などの悪性細胞が作り出すたんぱく質の量を測ります。
見つかる病気
胃癌、大腸癌、肝癌、肺癌、前立腺癌、乳癌、すい臓癌、悪性リンパ腫など
免疫やアレルギー
検査項目
免疫グロブリン、リンパ球サブセット、抗核抗体、IgEなど
検査でわかるもの
免疫を担うたんぱく質の量や、リンパ球の種類、またアレルギーの引き金を引く「IgE」というたんぱく質の量を見ます。
見つかる病気
免疫不全、各種アレルギー性疾患、気管支喘息、花粉症、自己免疫疾患(膠原病)、アトピー性皮膚炎など
各種ホルモン
検査項目
FT3、FT4(甲状腺ホルモン)、TSH(甲状腺刺激ホルモン)、コルチゾール(副甲状腺ホルモン)、ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)、カテコールアミン、PTH(副甲状腺ホルモン)、バソプレシン(抗利尿ホルモン)、LH・FSH(女性ホルモン)、HANP、BNPなど
検査でわかるもの
体のバランスをとっている、ホルモンの量を測定します。
見つかる病気
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)、甲状腺機能低下症(橋本病)、副腎の機能異常、褐色細胞腫、副甲状腺の異常、尿崩症、更年期障害、心不全など
出血凝固系
検査項目
PT(プロトロンビン時間)、APTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)、TT(トロンボテスト)、血小板凝集能など
検査でわかるもの
血液凝固機能(血の固まりやすさ)を調べます。
見つかる病気
出血傾向、血友病、DICなど